各リチウムイオン蓄電池の特性
一般的な特長や傾向ですので個々の製品には当てはまらない場合があります。
IMR | UR | NCR | LFP | NiMH | |
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定格電圧 | 3.7V | 3.7V | 3.6V | 3.2V | 1.2V |
体積エネルギー密度 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆ | ☆ |
重量エネルギー密度 | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆ |
ハイレート放電 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆ |
安全性 | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
複数セルでの運用 | ☆☆☆ | ☆ | ☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
充放電サイクル | 500回 | 500回 | 500回 | 2000回 | 500回 |
(注意1)体積エネルギー密度
単位体積あたりにどのくらいのエネルギーを蓄積できるか示す値で同じ大きさであればより容量の大きいバッテリーといえます。
400Wh/h以上のものは電気用品安全法に基づきPSEの認可が必要となります。
(注意2)重量エネルギー密度
単位重量あたりにどのくらいのエネルギーを蓄積できるか示す値で同じ容量であればより軽いバッテリーといえます。
IMRシリーズ:LiMn系
希少元素であるコバルトの代わりにマンガンを採用することで価格を抑えたモデルです。
リチウムイオン蓄電池のなかでは安全性に優れるためプロテクト回路なしでの運用が可能で組電池としてのサイズがほぼ規格内に納まっています。
ハイレート放電に対応しているため大電流を必要とするフラッシュライトにも使用可能で急速充電にも対応しますがエネルギー密度は控えめです。
プロテクト回路がないことで複数セルでの運用も可となっています。
URシリーズ:LiCo系
リチウムイオン蓄電池の基本ともいえるモデルで標準的な性能をもっています。
安定した運用のためにプロテクト回路付きでの運用が必要です。
NCRシリーズ:LiNi系
体積エネルギー密度、重量エネルギー密度ともに他のモデルを圧倒しています。
そのエネルギー密度の高さから危険性が最も高いため信頼性の高いパナソニック社製のセルを使用した製品を供給します。
安定した運用のためにプロテクト回路付きでの運用が必要です。
LFPシリーズ:リン酸鉄リチウムイオン蓄電池(LiFePO4)
リチウムイオン蓄電池の中では最も安全性が高くプロテクト回路が不要です。体積エネルギー密度は低いためランタイムは公称値よりも短くなることが多いのですが軽量なため重量エネルギー密度はNCRシリーズに次いで優れています。
定格電圧が3.2Vとリチウム一次電池に近いため置き換えしやすく2セルタイプのフラッシュライトで18650タイプのリチウムイオン蓄電池が入らない場合に有効です。
また1セルタイプのフラッシュライトで定格3.7Vのリチウムイオン蓄電池に対応していない場合にも使用することができます。
充放電サイクルが一般的なリチウムイオン蓄電池と比べ2000回程度と多く超寿命です。
定格電圧が異なるためLiFePO4専用の充電器が必要になります。